Sunday, March 04, 2007

「いじめ防止プロジェクト」の3回目のご報告です。

3回目のワークショップ(2月13日~2月16日)

■第3週目
2週目は生徒たちに「自尊心」という言葉を示し、自分を大切にすることの大切さを伝えて終っていたので、3週目の出だしは自分が安心できる場を確保する大切さ、また安心できる領域やその広さと他人の領域とをしっかり見極め、人の安全を犯さないというワークを行いました。他人の侵略に「NO!」といえることの大切さを伝えました。生徒が想像する、安心できる場所は家、自分の部屋、祖母の家、布団の中、風呂の中、友達の家、草原、海と様々でした。
一週目に出した宿題から、彼らの多くが一度は加害者、被害者、傍観者といういじめの構図の中に自分の身を置いた経験があると書いていたことから、その暴力の輪に入っていた自分をどうしたら解放できるか、身近にあるいじめを減らすには自分は何ができるかをそれぞれ個々に書いてもらい、内数人に発表してもらいました。この作業は全員に宿題として持ち帰って完成してもらいました。

■いじめを減らす、なくすには一人一人に何ができるかという課題には、いじめは勇気をもって止める、人の気持ちを思いやる、いじめられている子がいたら話を聴いてあげる、いじめが悪いという雰囲気をつくるとあくまで、他人が被害者であることが前提になっているような答えが多くみられました。自分がいじめにあったらという観点からは、「友だちに相談する」「親に相談する」が多く、先生に相談するという生徒は少なかったようです。

■忍耐強く回を重ねていくと、最初は何も話を聴かず、無視するようなそぶりの数人の生徒も徐々に話を聴くようになり、ワークショップにも少しずつ参加するようになりました。ザワザワと私語に耽る子も、うつむいたまま耳をふさいでいるような子も、今いじめを実際行っている加害者も「いじめ」という言葉の辛い響きは届いているようでした。
新聞やテレビでは学者や評論家たちが、いじめは嵐だから通り過ぎるのを待とう!という発言をしていますが、いじめは通り過ぎるかもしれないが、いじめによって受けた心の傷は消えないことを伝えました。生徒たちには傷つく前に止める、傷ついてしまったら心のケアをしようと呼びかけています。それができるのは生徒自身であり、生徒同士が支えることで、学校からいじめを締め出すことができると伝えています。3週目のワークショップの終わりには、各クラスにchool Buddyのシステムと必要性について説明をはじめましたが、早々に希望者が出ていました。

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