Monday, February 12, 2007

「いじめ防止プジェクト」の2回目のご報告です。

■ ワークショップ3日目が終わりました。同学年であっても クラスの個性やワークショップで学び、表現する力が違います。 とても、活発な意見が出るクラスも、静かに淡々と進むクラスもあるのです。 クラスの生徒の性格に偏りがあるわけでは無いはずなのに、なぜか違います?

■ 生徒たちはいじめが何であるかは認識できている場合が多く、からかい、ちゃかし、ふざけて他人に絡んでいくうちに、度をこえていじめに発展するケースが多いようです。ブレーキが効かないのである。
誰かが声を出し、一線を超える前にバランスが保たれることは少なくなっています。

■ 中にはいじめる側の理由に「無意識」「なんとなく」「理由はない」 また「いじめられる側に問題がある」という意見もありますが、その点については時間を割いて話し合っています。

■ 第2週目に入りました。
  一週目に配った宿題(アンケート)の結果を読み、ほとんどの生徒がいじめを何らかの形で体験し、大きな傷を受けているということが読み取れました。
2週目は彼らが考える加害者のいじめ行動から、その人物像を想像するワークをし、加害者の内面に少し迫る作業をしています。 また後半には「自尊心をもつということ」とは?、「自分を大切にするということ」とは? どういうことかを全員で考え発表してもらいまいした。
友人の前で自分の内面を話すことに抵抗が大きいかとも思いましたが、子どもたちには自分の気持ちを表現する力が予想以上にありました。

■ 2月9日金曜日は一日で7クラスワークショップをするので、一日が終ると声もカレます。
先生という職業は大変ですね!! 
後半の自分を見つめる作業、自尊心の大切さをしる作業は、個人的感情をクラスで 共有することにもなるので、お互い受け入れる、尊重する、無理をしない、秘密は守るという基本的なルールを何度も確認しながら進めるよう務めました。
ワークショップ後にクラス担任の先生方と振り返ると、子どもたちが先生が思っていた以上に自分を素直に表現できていることに先生方は驚いています。
ファシリテーター自身も彼らの自由な表現力に感心する場面も多く、中にはとても深い意見を発表するグループや、ドラえもんのジャイアンを媒体に意見発表するなど、 大人顔負けの工夫がいっぱいです。

Tuesday, February 06, 2007

2007年1月から、中学生向け「いじめ」プログラムが始まりました!

【中学生向け「いじめ」プログラム】

END VIOLENCEは、「デート・バイオレンス」をはじめ、「いじめ」「家庭内での暴力」など、さまざまなテーマの暴力防止プログラムを開発し、学校や地域社会で啓発教育活動をおこなっています。学校や地域のニーズにあったプログラムを提供するため、受け入れ団体の状況を把握しながらプログラムの開発を進めています。

1月26日から地域の学校で「いじめ」プログラムが始まりました。
この中学校は、生徒会主導で全校生徒対象のアンケート調査を行い、その結果を学級委員会がロールプレイで演じるなど、生徒が主体的に参加し学校全体で「いじめ」に取り組み始めたところでした。そこで、END VIOLENCEでは、その取り組みを最大限に活かすことのできるプログラムを提案しました。
いじめに対して、強面の大人が乗り込んでいって子どもに強制しても効果はあがりません。生徒全員が気づき、意識を高め、いじめを無くす気風を育てていけるような仕掛けが必要です。生徒同士が支え合う「SCHOOL BUDDY」というピアサポートシステムを取り入れ、「『いじめ』を絶対に許さない!」という機運を盛り上げていこうと考えています。私達のもっとも重要な役割は、単にプログラムを届けるだけではなく、子どもたちに内在する“力”を引き出すことにあるのではないかと思います。

① 1月26日(金)・・・全校生徒・教員・保護者対象の講演
② 1月~2月・・・・・・1、2学年対象のワークショップ(1クラス4回で1コース)
③ 4月~5月・・・・・・教員用トレーニング(1人3時間)
④ 3月~5月・・・・・・スクールバディー・教員用トレーニング(1人10時間)
⑤ 6月~  ・・・・・・スクールバディー開始
⑥ 6月~  ・・・・・・スクールバディー・教員向けスーパービジョン(月1回)
⑦ 10月~ ・・・・・・文化祭、NPOフェアで生徒たちの取り組みを発表

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事務局 瀧田信之・渡邊千尋
END VIOLENCE
(湘南DVサポートセンター内)251-0044 神奈川県藤沢市辻堂太平台2-2-3-102電話:090-4430-1836 Fax:0466-36-6616
e-mail:tryton@shonan-net.ne.jp
http://www.shonan-dv.blogspot.com/
(住所が変更しました。)
■講演会(2007年1月26日)

■講演会(2007年1月26日)
講演では、子ども達の間でおこる暴力の解決には、当事者である生徒、彼等を見守る先生、家族、地域という、学校に関わる全員が同じ視点に立ち、情報を共有しながら進めることが不可欠なこと、そして、「いじめ」を隠さないで真正面から向き合おうと訴えました。講演会には、先生方をはじめ生徒400名と保護者若干名が参加しました。

■ワークショップの進め方
1月~2月にかけて、1年生5クラス、2年生5クラス・・・計10クラス。1クラスに4回のワークショップを実施します。いじめはどのクラスにも1件はあるようです。
先週で、全クラス第1回目のワークショップが終了しましたが、毎回、数人の先生方が見学にみえています。毎日学校に通っているような状態ですが、生徒や先生方とも顔なじみになって信頼関係がつくられつつあります。
このプログラムは、4回かけて徐々にエンパワーしていく構成になっています。
1回目・・・いじめの定義
被害と心理的なダメージ
2回目・・・いじめの加害者の心理
3回目・・・傍観者の心理
4回目・・・「いじめ」のない社会をつくる
1~2学年の全員にワークショップを実施しながら、生徒がいじめをしっかり見据え、いじめを無くすために行動できるよう彼等の力を引き出していくことを目指しています。
     
■先生方の理解と協力
第1回目のワークショップ終了後、見学していた校長先生、教頭先生とミーティングをしました。教頭先生からは、4回ワークショップをする意味がよく分かった、いじめられている子、いじめている子、それぞれの変化が楽しみだという感想をいただきました。
現在の学校システムの中で、今回のように時間をかけることは例外だと思います。校長先生の熱い想いと決断、そして、子ども達の叫びを日々肌で感じている先生方、養護教諭、スクールカウンセラーの理解と協力がなければできないことだったと思います。
今後、カギとなるのは保護者の理解と協力をどのように得ていけるのかということではないでしょうか。